大学を卒業するまで美容にまったく関心がなかった私は、女性誌の編集者という仕事で美容ページの担当をすることになり驚きの連続だった。
世の中にはこんなに多くのブランドがあり、それぞれのポリシーがあり、英知を結集したテクノロジーがあり、さらに日々進化しているということをその時初めて知った。
化粧品ブランドの発表会は、さながら生物と化学の講義。女性誌の美容の担当者で、肌の断面図がそらで書けない人はいないだろう。
しばらく前まで、女性の間で美容を「武士道」などと同じような「道(どう)」として表現することが流行した。私もその流れに乗って楽しんできたわけなのだけれど、最近、ちょっと違和感を感じてきた。
自分が年を重ねたからなのか、向上心がなくなってしまったのかと思っていたのだけれど、ハッと思い出したことがある。
守破離という言葉がある。「道」にまつわる言葉で、まずは型を守るところから始め、よりよい自分の型を作ることでその型を破り、最後に型から離れて自在になる、ということである。
離れるには、自分自身と型をよく理解していなければならない。私は美容という道について、今ようやく「離」の段階にきたのかもしれない。
ブランド・コンサルタントの守山菜穂子さんと月に1回更新している音声コンテンツ「Beautiful 40's」では、彼女の美容革命についても伺ったけれど、まさにそれも「離」。彼女と私では「離」のあとのアプローチがまったく違っているというのもおもしろかった。
「道」やら「守破離」やら、なんだか窮屈じゃないか、と思うかたもいるだろうけれど、それも含めて実は女性は娯楽として楽しんでいるのである。
人生という大いなるフィールドで大まじめに真剣に遊ぶ。それが大人の女性の真の美容「道」なんだろうな、と思う。
さて、「離」の段階を経た私が、いまもっとも興味のあるスキンケアについてはサウンドマガジンで語っていますので、よろしければお聞きください。
サウンドマガジンはこちらから
全文書き起こしはこちらから
守山菜穂子さんのブログはこちらから