EDIT THE WORLD

カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

「生きづらさ」という決めつけ〜ピースボート乗船記

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船室窓辺の薔薇

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年5月30日(木)、日の出05:49、日の入20:35 37°02′N 018°23′W 21℃ 大西洋

昨日より波はいくぶん穏やかになった気もするが、相変わらず揺れている。私はといえばぐっすり眠って快調。モロッコ・タンジェで買った薔薇が窓辺で美しく咲いている。

このところ朝食を少なくしている。フレンチトーストとパンケーキをいただくのをやめたのだ。だいたい、普段、朝はコーヒーとシリアルだけという生活をしているのに、提供されるからといってなんでも食べているとカロリーオーバーになる。身体が重い感じがするのもそれが影響しているのではないかと思い、コーヒーとフルーツとヨーグルトだけにしてみたところ、すこぶる午前中の体調がよくなった。

午前の早い時間は図書コーナーで見つけた池井戸潤の『銀行狐』という短編集を読む。この方、短編も書いていたのだなあ。しかも、解説に銀行に入る前に大学でミステリサークルに入って小説を書いていたとあった。もともとの「書きたい」意欲が銀行という体験を経て開花したのだ。私は半沢直樹シリーズも好きだが、再度ドラマ化されるという報に触れて密かに楽しみにしている。

10:15、国連SDGアクションキャンペーンで働くローラ・ヒルブラント氏の「SDGアクションキャンペーンとは?」という話を聞きに行く。SDGsについて知らない人向けだったのでちょっと物足りなかったが、SDGsのなりたちについてはよく理解できた。全世界にパブリックコメントを求めたという事実については寡聞にして知らなかった。77%が30歳以下の人からのコメントだったというが、この中に日本人は含まれているのだろうかと気になった。

13:00からとある水先案内人の話を聞きにいったが、残念ながらこの方の話にはあまり共感できなかった。コミュニティ・オーガナイジングという手法についてお話をされたのだが、「幼少期に自分の遊び場を行政に奪われた怒り」という原動力がなぜ「女性の生きづらさを変える」というアクションに繋がるのだろうか。そのあたりにだいぶ隔たりがあるような気がしたのだ。

この方もそうだし、先日まで乗っていたタレントの水先案内人もそうだったが、このところ、社会活動に「生きづらさ」という言葉を使ってしまうことが気になって仕方がない。非常に強い言葉であると思うからだ。「あなた、生きづらさを感じているよね?」と聞かれると「お、おう」としか答えられないような「決めつけ」を感じてしまうのだ。もがいてもがいて必死で今日を生きている私の日々を、誰かに「生きづらさ」という言葉でくくってほしくないという気持ちが働く。

夜はピアニストの方のコンサートへ。ジャズ、ボサノバからポップスまで。これも残念ながら私にとってはあまり満足いくものではなかった。以前、ファンでも何でもないミュージシャンがピアノに座り「ポーン」と1音鳴らしただけで訳もわからず胸にズドンと何かを打ち込まれたような経験をしたことがあるが、私にとっての音楽ってそういうものだから。

ピアニストはNew York State of Mindを弾いたが、以前、私の胸に確かに何かを打ち込んだ綾戸智恵のNew York State of Mindが聴きたくなった。