EDIT THE WORLD

カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

船酔いしながら猫のことを思う〜ピースボート乗船記

 

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大西洋


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年5月29日(水)、日の出05:19、日の入20:00 36°20′N 010°22′W 21℃ 大西洋

移動中日。大西洋に入って、夜中から本当によく揺れる。船が円を描いているような揺れ方だ。時折、ドスンと波が船体に当たる音と衝撃がやってくる。気持ちが悪いという人がかなり多いけれど、私はむしろふわふわと気持ちがいい。寝ていると揺りかごに乗せられているようだ。いつもきっちりと部屋の掃除をしてくれるインドネシア人青年も「起きたとき船酔いで頭が痛かったです」という。

大西洋に入るとガルフストリーム(メキシコ湾流)の影響を受けると聞いたことがある。そのせいだろうか。近くに低気圧があるからという話も聞いた。

そのうち、ふと吐き気がした。これは船酔いだろうか。食欲もあまりない。昨日歩き回った疲れも残っている。観念して、船内イベントなどにも出かけず部屋でゆっくり過ごすことにした。PCをひらき、昨日の記録を書く。これまで撮った写真の整理をする。本を読もうと思ったのだが、目を落とすとやはり少し吐き気がする。もしかしたらこれが船酔いなのもしれない。

ちょっと現実から離れてみようと(戻ってみようと?)、熊本の実家に預けてきた猫たちの写真を眺めてみる。実家からはたまに「元気にしているよ」「我が家に慣れたので大丈夫」といったメールが届く。

猫たちを実家に預けるに当たっては、けっこう大変な作業を要した。まず、猫をそれぞれに捕まえてバスケットに入れる作業が難航した(片方を入れると片方がどこかに身を隠す)。タクシーで羽田空港まで移動。日本国内ではペットを座席に同行させて持ち運ぶことはできないので、空港にて大型手荷物として猫を預ける。この時クレートと呼ばれる犬猫用のバスケットに入れ替える。

これがいちばん、大変だった。カウンターで、猫を自分の手でバスケットからクレートに入れ替えるのだ。誰の助けもなしに。暴れたら? 逃げたら? 猫のボディに取り付ける散歩用の紐を買っておいたのだが、2匹とも嫌がってつけさせてくれない。仕方なく、むきだしのまま猫をなんとかクレートに押し込んだ。ここで猫が逃げ出したらどうなるのだろう。羽田空港のロビーを2匹の猫が走り回る様を想像する。

クレートの中に入った猫はいかにも不安そうに目を大きく見開いて片隅に縮こまっている。この後、暗く轟音の聞こえる貨物室に入れられて1時間40分も放っておかれるのかと思うとかわいそうでならないが仕方がない。料金はペットの大きさによって変わるが、我が家の猫たちは大きいので1匹6000円かかった。合計1万2000円。

熊本の空港に着いたら、今度は預けた手荷物の出てくる場所でクレートから自分のバスケットに猫を入れ替えなくてはならない。この時、1匹の猫が力の限り踏ん張って出てこないのでこちらも力の限り引きずり出さねばならなかった。よほど怖かったのだろう。よく見ると、猫の前足の指先に血がにじんでいた。申し訳ないことをした。

いざ実家に連れていくと、見慣れぬ場所と見慣れぬ人で、ソファの下に隠れて出てこない。神経質なほうの猫が、翌日鼻を真っ赤にして出てきたと思ったら高熱を出していた。

そんな猫たちも今では実家で走り回り、先住猫と仲良くして、階段を上り下りして大はしゃぎしているらしい。慣れてくれてよかったが、あと2か月後に、もう狭い東京の1LDKには帰りたくないといわれたらどうしようという不安もよぎる。それよりも、あなたは誰ですかという態度をされたらどうしよう。心配は尽きない。

夕食時も、食欲がなくあまりおなかに入らなかった。猫のことを考えたせいなのか、船酔いのせいなのかよくわからない。好物の鮭いくら丼だったのに、もったいないことをした。

 

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我が家の猫たち