EDIT THE WORLD

カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

スエズのアラブ商人〜ピースボート乗船記

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アラブ商人が乗り込んでくる

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

***

2019年5月15日(水)、日の出04:54、日の入18:35 28°26′N 033°11′E 25℃ 紅海

船は薄い靄の中をゆく。凪のような水面が広がり、穏やかだ。昨日までよりいくぶん涼しい。

右舷側にシナイ半島が広がる。長いこと陸地を見ていなかったので、外の見える場所で見るともなく見ている人が多い。隣の老女と老人の会話が耳に入ってきた。

「ねえ、シナイ半島を右側に行けば『アカバ』だったんでしょ。『アラビアのロレンス』の舞台だったところよねえ」

「そうですねえ」

「ロレンスは『アカバ』からシナイ砂漠を横断してスエズに着いたのよね。カッコよかったわねえ」

「ロレンスは悪者ですよ」

「そんなことないわよ」

といった、とりとめもない会話。その舞台となった地で、ふとこのような会話を耳にすることは心地よい。

毎日12:30頃にその日の航海情報が3か国語でアナウンスされ、その後、航海図が更新される。その場所に行き、群がる人々の質問に答えるクルーからの情報を得るのが楽しみのひとつだ。

今日の情報によると、20時頃にスエズに到着し、投錨するという。スエズ入口には22時までに到着していないと、翌日の通行ができないのだそうだ。今のところ、朝1番か2番には出航できる見込み。航行開始は04:00頃。

夕食をいただいていると(今夜はヒレカツだった! 美味!)、船が小刻みに揺れる。おそらくスエズに到着したのだろう。デッキに出てみると、まさに錨を下ろして停泊したところだった。

と、けたたましい船の音が聞こえてくる。見ていると、波に大きく左右に揺すられるようにして、小さな船が何艘か現れた。「キャプテン・ハッサン号」と書いてある。これが、昼にクルーが言っていたアラブ商人だ。

波をものともせず、アタッシェケースを手にしたアラブ商人は喫水線ギリギリのところにある出入り口からひょいと飛び乗った。その後、いくつかの段ボール箱が出際よく次々と積み込まれてゆく。

聞けば、8Fの公共スペースに店が広げられるのだという。のぞきに行ってみた。絵はがき、革製品、パピルス(当然フェイク)、Tシャツ、ゴージャスなネックレス(MADE IN CHINAとあった)、カフタン。

私はエジプトでカフタンがほしいと思っており、ショッキングピンクのいい感じのものがあったのだが、サイズがXLだったので大きすぎて諦めた。またエジプト国内で探してみよう。

夜は同室者に誘われてサルサナイトへ。彼女は船内カルチャースクールでサルサレッスンにも通っているのだ。私は踊りはしないが、ラテン・ミュージック好きなので音楽を聴きにいくことにする。思いがけず臨時のバーが開いており、ラムコークをいただいた。たっぷりとラムが入っており、いい気分に。

明日は早朝からスエズ運河入りを見物するために、早めにベッドに入った。