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カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

洋上大運動会と若者と〜ピースボート乗船記

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洋上大運動会

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。
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2019年5月14日(火)、日の出04:49、日の入18:091 24°00′N 036°43′E 31℃ 紅海

今日はピースボート名物ともいえる「洋上大運動会」。101回目の今回は「五大陸ピック〜One For All, All For One」というテーマだ。アジアからスエズ運河までの長い航海(今回は2週間)を利用して、若者たちを中心に準備してきた。

私はどの競技にも参加しないことにしているけれど(先日、大学院の友人たちとボルダリングをしたことで3か月間腰痛に悩まされた経験があるので用心のため)、参加人数も点数になるというので応援のために開会式に出かけてきた。

団は誕生月ごとに4つに分けられ、私は緑団。緑のピースボートTシャツこそ買わなかったが、一部が緑色になっている服を着て参加。

数日前から、各団のハチマキを首や腕に巻いて闊歩している人が増えてきていたが、私は準備にも参加しなかったので持っていない。すらりとした長身の男子が「ハチマキは?」というので「持ってない」というと、さっと手渡してくれた。カッコいい。この副団長は、先日、県人会で熊本の部に参加してくれていた男子だった。

開会式の前に集合写真の撮影。各団カウントした人数と、スタッフを含めるとなんと900名あまりがこの「リドデッキ」と呼ばれる中央デッキに集まったことになる。圧巻の眺めだった。お祭りごとが好きなので、この雰囲気にはワクワクする。

午前中の競技は○×ゲーム、玉入れ、大縄跳び、ボール回し。

それにしても、身の危険を感じるほど暑いので、映画を見に出かけることにする。10:30からは『トランボ〜ハリウッドに最も嫌われた男』。『ローマの休日』や『ジョニーは戦場へ行った』などを手がけた脚本家、ダルトン・トランボの半生を描く。東西冷戦時代「赤狩り」により映画界から追放されながらも、偽名で脚本を書き続けた。

縁起をかついで、ランチは「チキンカツカレー」で統一されている。こういった配慮が楽しいピースボートである。

運動会の午後の部、応援合戦を見物する。その後の競技は何人乗れるかな?(畳に乗ったらしい)、障害物競走、綱引き。

部屋で少し休む。なにしろ今日は暑いし、じっとしていても皮膚に汗が浮き出てくるほどだ。Kindleで村上春樹『遠い太鼓』の続きを読む。早く消化しないともうすぐギリシャに到着してしまう。

夕食は中華。久しぶりの麻婆豆腐に舌鼓。

夜も映画に出かける。『ブリッジ・オブ・スカイ』。スピルバーグである。これも東西冷戦下の実話をもとにした映画で、いち弁護士がソ連側のスパイとアメリカ側の偵察機に乗っていた若いパイロットおよび東ドイツに拘束された若い学生の交換を試みるヒューマン・サスペンス。

この映画のけっこう多くの部分が凍てつく(分断された)東西ドイツのシーンなのだが、「ブロードウェイ」という会場がもともと冷房のよく効いた場所なので、より寒く感じる。今日は昼も夜も映画で東西冷戦時代に思いを馳せることとなった。なぜ、人は歴史から多くのものを学べるのに「いま」のことを判断できないのだろう?

さて、今日の運動会が象徴的なのだが、この船に乗っていて、どんなになじんだように見えても「若者」と「中年以降」とは明らかに違うのだということを思い知らされた気がする。さまざまなシーンを見聞きして、さらに自身も経験して思うのだが、中年以降の人間がどんなに若者と仲良くしてもらってもそれはあくまでもこちら側が「お客さん」としての仲の良さであり、若者の親切心なのだ。

もう若くなくなった我が身を嘆いているわけででも自虐しているわけでもなく、「若さ」というものは、特別な、それ自身の意志をもって輝いているものなのだなと感じる。何人たりともその輝きを侵すことはできないし、もちろん入り込むこともできない。なにしろ、それ自体が輝いているものなのだから。

なんてことを考えながら就寝。荷物が重すぎてどうがんばってもCDG(シャルル・ド・ゴール)空港に間に合いそうにないという夢を見る。