EDIT THE WORLD

カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

ブラボータンゴ〜ピースボート乗船記

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太陽がほぼ真上にある

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

 

***

 

2019年5月12日(日)、日の出05:41、日の入18:31 13°47′N 42°32′E 紅海

 

06:30頃起床。船は紅海入口のバブエルマンデブ海峡付近を進んでいる。この付近は紅海の最小幅で、約26km。両岸が見える。「あさぎり」とは昨夜01:00頃に別れたらしい。通信を傍受したり目視で様子を伺っている海賊対策のために、敬礼などもなしにスッと別れることになっているのだと聞いた(真偽のほどは不明)。

 

07:40頃「ブラボータンゴ」(海賊警報)がアナウンスされて目が冴え渡る。本当か? どうやら本当の警報らしい。まさか本当に海賊警報が出るなんて!

 

部屋にいたのでそのまま待機していると、「小舟が何艘かいたので、危険がないかどうか確認中」とのこと。結局、何事もなく30分後に警報は解除された。まあ、たぶん海賊じゃなかったんだろうと思う。

 

紅海は川の流入がないため塩分濃度が非常に高く、透明度が高いと数日前の記録に書いた。実際に紅海に入ってみると、これまで深い青だった海面が心なしか少し薄い緑混じりの色になっている。これが、透明度が高い証拠であるかどうかはわからないけれど。

 

イエメン沖、12:30。時折、陸地が見えることがある。大陸に近いところが航路になっているのだろう。デッキに出たら、これまで体験したことのない暑さ。気温が41℃とアナウンスがあった(後日確認したら31℃と書いてあったのだが、アナウンスでは41℃と聞こえた)。

 

仕方なく(ここ傍点)デッキで「あぢいあぢい」と言いながらビールを飲む。が、思うに、なぜか船の上で飲むビールもワインも、あまり美味しく感じない。気だるい頭痛だけが残る。なぜだろう。

 

太陽がほとんど真上にあり、自分の影が短い。マレーシアから来た貨物船が船を追い越していった。

 

昼に飲んだビールの頭痛がさっそくやってきて、午後はうつらうつらと過ごす。ひとつ、聞きに行こうと予定していた講演を聞き逃した。しかしなぜまたビール1杯程度で頭痛が出るんだ?

 

kindleで村上春樹の『遠い太鼓』を再読する。これからギリシャ(サントリーニ島とアテネ)に行くので、彼がギリシャに住んでいた時の紀行文を読み返したいと思ったからだ。この頃、村上は38歳から40歳。ギリシャやイタリアに滞在中に『ノルウェイの森』を書いたようだ。私にとってもこの本はもう古い記憶となるくらい昔の話だ。

 

夕刻から霧が出た。海面と空の区別がつかない。幻想的な風景だ。これまでずっと好天続きだったので、こういう天気の変化をうれしく感じる。

 

夕食時に一緒になったおじさま達に「何組か、愛人連れの人がいる」という噂を聞く。実際に聞いたらそうだと答えたという話もある(これも真偽のほどはわからない)。でも、いくら愛人と来たのだと言っても3か月半も一緒にいると嫌になったりしないものでしょうか、ねえ。

 

夜に、メッセージで仕事の連絡が入っていたので8Fのインターネットスペースに移動し(部屋でやるとまたPC画面が明るくて眠れないと言われるので)、ライター氏にメールを送ろうと試みるも、ネットがまったく繋がらない。紅海に入ってからめっきり繋がりにくくなった。

 

作業を続けていたら、目の前にいたおばさまに話しかけられる。「ねえ、これ見た?」それは、掲示板に貼ってあった「海賊」を撮影したとされる写真だった。誰かが撮影して、掲示板に貼り付けたものらしい。皆が群がって撮影していると、事務局が「人が撮影したものだから撮影はご遠慮ください」と剥がしていったと聞いた。

 

ふと見ると、よく挨拶をかわすおじさま2人組がバー「カサブランカ」で飲んでおり、一緒に飲まないかと手招きしてくれている。仕事にならない日は飲むに限る。果たして、彼らの飲んでいたのはウゾーであった。

 

今日、『遠い太鼓』で読んだばかりのギリシャのお酒だ。シンクロニシティを心の中で喜び、ごちそうになる。水を入れるとさあっと白く濁り、薬草の味がする。トルコのラクに似た味。ネットに繋がらないので調べようがないが、あるいは同じような作り方をする酒なのかもしれない。