EDIT THE WORLD

カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

SDGsとボランティアとピースボート〜ピースボート乗船記

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SDGsにYES! という写真撮影大会にて

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年5月11日(土)、日の出045:17、日の入18:10 アデン湾

 

船はソマリア沖のもっとも危険な地域に差しかかった。「あさぎり」は変わらず左舷10時の方向にその姿を位置させている。

今夜半、「ポイントA」に差しかかると「あさぎり」は我々の船と別れて、今度はポイントAからポイントCまで移動する日本の船を護衛することになる。

見るともなく海を見ていると(なにしろ毎日、見えているのが海と水平線だけなので、どんなに海が美しくても正直、飽きてきます)、トビウオがあちこちに跳んでいるのが見えた。一度、海を飛び出るといつまでもいつまでも海上を飛んでゆく。驚いた。

ところで、私は基本的には船ではどのコミュニティにも属していないので(カルチャースクールに出ていない、サークル活動などをしていない、知り合いを積極的には作らない、ボランティアをしない)、いろいろな話は同室者がカルチャースクールで聞いてくるか、食事の際に同じテーブルに座った人からもたらされる。

今日は昼食の際に、あくまでも伝聞だが、の断り付きで「既に船を下りて日本に帰ってしまった人がフタケタに達したらしい」という話が出ていた。なかに「船での生活が思ったようなものじゃなかったから」という理由の人がいるとのこと。

船を離れて日本に帰るのは自由なのだが、この旅のために支払った金額は放棄、しかも出先から日本への航空券代も当然、かかるわけだ。そうまでして降りたいほど、予想と違うというのは「下調べをせずに乗っちゃったのかしら」と思わざるを得ない。

ところで、私が今回、のんびりするためにこの船に乗ってしまったので、ピースボートをずいぶんゆったりと暇な船だと思っている方もいらっしゃるかもしれないが、実際はさまざまな活動をおこなっている。

ピースボートは1983年より「国際交流」と「平和教育」を軸に船旅を企画。2002年には国連の特別協議資格を取得。2016年にはクルーズ船では唯一「SDGs*」のロゴを船体にペイントした船となった。そして、さまざまなプロジェクトやオプショナルツアーを通じて、SDGsの達成に取り組んでいる。

*SDGs 「Sustainable Development Goals」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された、すべての国連加盟国が取り組む行動計画。SDGsには17の大きな目標と、さらに具体的な169の達成基準(ターゲット)が盛り込まれている。

他にも船には、ボランティアスタッフが大勢乗船しており、翻訳・通訳、イベント時のPA、水先案内人のお世話などの活動をしている。主に若いスタッフ達だが、彼らの献身的な活動により船内活動が維持されているといっても過言ではない。ありがたく、頼もしいと思う。

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イベントを英語と中国語に同時通訳するボランティアスタッフ

もちろん、そういう活動とはまったく距離を置いて、純粋にプレジャークルーズとして乗っている人も大勢いる。どんなかかわり方をしても、それはその人の自由だ(実際にはこういう人のほうが圧倒的多数だと思う)。

14時から定期避難訓練。乗船時に続いて2度目だ。クルーズ船では月に1回程度の避難訓練が義務づけられている。私のマスターステーションは「C1」で、オーシャンドリーム号でいうと「バイーア」というバーの右舷側となる。毎度のことながら、救命胴衣を身につけていると首の周りが暑くて仕方ない。訓練は30分程度で終了。

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元NHKの須磨章氏

夕刻からは水先案内人である元NHKの須磨章さんの「ドキュメンタリーはこうして生まれる」という話を聞きに行く。会場である「スターライト」には人が入りきれず、地べたに座る。

内容は、かつて放送された「NHK特集」(懐かしい!)の「単身赴任」という回について。どういう経緯で局内で企画が通ったか、どうやって取材対象の商社のOKを取り付けたか、どうやって取材したか。現場の話はいつでも生々しく、興味深い。

夕食の際に、ついに実際にこの耳で聞いてしまった。「こんな船だとは思っていなかった」という、定年退職してから乗船しているという男性の話。「もっと毎晩、ショーなどがたくさんあると思っていた」。ラスベガスのような日々を期待していらっしゃったのだろうか。

「そういう船ならもっと乗船料がかかると思いますよ」と、思わず真顔で返答してしまった。