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カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

これは訓練です〜ピースボート乗船記

 

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rolling and pitching


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年5月4日(土)、日の出06:38、日の入19:11 ベンガル湾

09:00より乗組員対象の避難訓練。我々は参加する必要はないが、非常ベルや放送は聞こえてくる。最後に船長の声で「本船を放棄する」旨のアナウンスがあった時はヒヤリとした。本船放棄。航海中、そのような事態にならないことを祈る。

よく映画で見るような「これは訓練です、これは訓練です、これは訓練です」というアナウンスは英語では「This is a drill , this is a drill  , this is a drill. 」ということを初めて知った。ドリルと聞くと穴あけ機、問題練習などがまっさきに思い浮かぶが、iPhoneに入れているWISDOM英和辞書を調べてみると、確かに「訓練」という訳があった。

天気はいいのだが、キャビンから窓の外を見ると波は荒く、船も右に左に、前に後ろに大きく揺れる。横浜出航後初めて「部屋の外に出るときは手すりにつかまって気をつけて歩くように」というアナウンスが出た。

ちなみにこの船では日英中の3か国語が採用されているのだが、「大きく揺れています」という表現を英語で「rolling and pitching」と言っている。気になることはすぐに調べてみないと気が済まないタチなので、さっそくWISDOM英和辞書に当たると、rollingは横揺れ、pitchingは縦揺れを示すのであった。理解した。

午後はエジプト考古学者/名古屋大学高等研究員准教授の河江肖剰さんの「ピラミッドの大航海」と題した講演の上映会へ。5月1日に実際に行われた講演の際、私は別のイベントのファシリテーションをしていて出席できなかったのだ。当日は満席御礼、立ち見でも見ることができなかった人がいて、上映会の開催となったらしい。
内容は素晴らしく、今まで推論、推論を重ねてきたピラミッド研究の世界にドローンや最新の2D→3D化システムを取り入れ(「Giza 3D Survey」)、その成果を目覚ましく発展させているというのが最新の現状なのだそう。その成果によって河江さんは2016年に米国ナショナルジオグラフィック協会のエマージング・エクスプローラーに選出されている。

なかでも「王が圧政を敷いて民衆にピラミッドを作らせた」のではなく「ピラミッド周辺は少し前のシリコンバレーのようなもの。新技術を試すために民衆を近くに住まわせ(近年、古代都市「ピラミッドタウン」が発掘されている)、一大事業を成した。ピラミッドのみならず、ミイラの作成や内蔵の保存など、クフ王はつねにイノベーティブなことを成そうとしていた」という話が気に入った。

ひとつ思ったのは、こういった素晴らしい話は「年寄りの老後の暇つぶし」のためだけではなく、やはりこれからを担う多くの若者に響いてほしいものだなーということ。5月1日講演時は若者の姿も多く見かけたというが、彼らには何か得るものがあっただろうか。
今夜も1時間の時差調整。飛行機に乗ったらいきなり到着場所の時刻になるが、こうやって1時間ずつ時差を調整していくというのは船旅ならではの経験かもしれない。