EDIT THE WORLD

カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

真ん中発表会〜ピースボート乗船記

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カリブ海の夕焼け

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月10日(月)、日の出05:34、日の入19:49 32°33′N 071°25′W 25℃ 大西洋

航海もちょうど折り返し地点。このところ天気が悪かったがだんだん回復してきた。気温も上がってきた。南に向かっているのだと実感する。

昨日たっぷり休んだので今日はすっかり体力も回復。船内は「真ん中発表会」の日で人々が浮き足立っている。「真ん中発表会」とは、各カルチャースクールなどのこれまでの成果を発表する機会である。学芸会のようなものか。

あまり興味がないので(申し訳ない)、部屋で本を読むことにする。図書コーナーで『ブラックボックス』(伊藤詩織)を見つけた。この方のことは報道された以上のことを知らないが、読む限りではとても真面目な努力家であるということがよくわかった。事件の詳しい経緯もわかった。が、帯にある「レイプ被害にあったジャーナリストが世に問う、報と捜査、社会の現状」というには個人の体験の域を出ていないように感じてしまった。

続けて『ダ・ヴィンチ・コード』(ダン・ブラウン)を読み始める。映画も見ていないのでよい機会だ。舞台は初め、ルーブル美術館の内部の描写から始まるが、読み進めていくうちに「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」という冒頭の文章を読んで背筋に冷たいものが走った。

早めに寝てしまう。

船上で福岡熊本県人会〜ピースボート乗船記

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カリブ海

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月9日(日)、日の出05:24、日の入20:02 38°09′N 071°57′W 24℃ 大西洋

Apple Watchによると昨日はニューヨークで2万2671歩歩いたようだ。ふだんの健康的な生活の実に4倍に当たる。年齢的に、一晩寝てもその疲れが取れるわけもなく、今日は1日ぐったりしていた。

うとうとしながらさまざまな夢を見る。

18:00、「バイーア」にて行われた「福岡熊本県人会」に参加。1000円とわずかな金額の参加費にかかわらずお酒も食べ物もたっぷり準備されており、発起人のかたがその費用をもってくださったことを知る。「出発するときにたっぷり餞別をもらってきたのでこれくらいの費用は出るんです」とおっしゃる。ありがたくそのご厚意を受けることにする。

総勢35名。みんな方言を使わないのは物足りないが(笑)、同じ九州人として楽しく飲んで食べておしゃべりをした。「バイーア」ではカラオケもできるので、女性たち大勢で「赤いスイートピー」を歌ったのがとても楽しかった。

もう、人生において故郷の熊本より東京で過ごした日々のほうが長くなったが、故郷というのはあらゆる力をもって私をつなぎ止めようとしてくるのだなと思う。

80歳を越えてなお元気な両親のいる実家とはつかず離れずのつきあいをしているが(あっさりしているほうかもしれない)、今回、猫2匹を預けたことでまたやりとりが復活した。一人娘なうえ、夫もおらず子どもも産まなかった私の預けた猫たちを、両親は孫のように思って世話してくれているらしい。ありがたいことだと思う。

 

ニューヨーク2日目〜ピースボート乗船記

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ブルックリン側から見たマンハッタン

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月8日(土)、日の出05:24、日の入20:25 ニューヨーク

10:00、船を出発。今日は1日、ブルックリンで過ごすと決めている。

メトロを乗り継ぎ、Lラインに乗ってウィリアムズバーグへ。20年前にこのLラインに乗るときはまだ「ブルックリンに行くときは気をつけるように」と言われてドキドキしたものだったが、今ではこのあたり一帯は一大おしゃれエリアになっているのだから、時代は移り変わるものだ。

土曜日なので、目指すはイースト・リバー・ステート・パークで開かれている「Smorgasburg」。夏になるとブルックリンで開かれている食べ物の屋台村ともいうべきイベントで、2014年に一度行ったことがある。目当ては名物「ラーメンバーガー」。バンズがラーメンでできている。小さめだが、なかなかボリュームがあって美味なB級グルメだ。

特定の区切られたエリアでしかアルコールが飲めないので、ピンクの「カクタスレモネード」なるドリンクを買ってみる。検索してみると、インスタ映えすると人気のドリンクなのだそうだ。ラーメンバーガーとともに、公園の芝生に座って堪能。

もちろんそれだけでおなかいっぱいにはならないので、次は生牡蠣を3ピース。牡蠣にはアルコールでしょう、と、区切られたエリアに持ち込み、IPAを1杯。至福である。

気になるものを見つけた。「ジャパニーズスタイル」と名付けられた焼きトウモロコシ。焼いたトウモロコシの上にマヨネーズとパプリカをかけてある。何をもってしてジャパニーズスタイルなのか? と思いつつも気になって食べてみた。なかなかおいしかったと白状しておこう。

会場のイースト・リバー・ステート・パークはその名の通り、イースト・リバーに面しており、マンハッタンが望める絶好の場所だ。腰を下ろして川とマンハッタンを眺めながら風に吹かれ、心静まるひとときを過ごす。

おなかを満たしたらウィリアムズバーグをパトロール。ニューヨークに来たら必ずTシャツを買いだめしているBROOKLYN INDUSTRIESで今回もTシャツを買い、最近東京にも上陸したというBrooklyn Breweryではサマーエールを飲む。BROOKLYN WINERYが貸し切りで入れなかったのは残念だった。

そうやっているうちに17:00になった。帰船リミットは20:30。それまでにマンハッタン側に戻り、夕食を食べたい。なかなか来ないLラインを待って船の近くまで戻り、レストラン「Marshal」を目指したが満席で入れず。これは痛手だった。

船の近く一帯の「Restaurant row」で店を探すも、土曜日だからかどこもあふれかえるほどの人で満席。なんとか見つけたブラジル料理の「Samba」という店でフェイジョアーダをいただいて、20:00に帰船。

23:00、出航。キラキラ光るマンハッタンが遠ざかってゆく。やっぱり私はこの街が好きだ。

ニューヨーク1日目〜ピースボート乗船記

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Good morning, New York!


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月7日(金)、日の出05:25、日の入20:25 ニューヨーク

03:30、目が覚める。遠くに明かりが見えている。ロングアイランドだ。船は速度を落としている。

05:30、夜が明ける。マンハッタンが見えてきた。沿うように回り込んで近づいてゆく。自由の女神が見えてくる。これまで、短期留学も含めニューヨークに来たのはおそらく20回を越えると思うが、もちろん海から入るのは初めてだ。07:00にイーストリバーのピア88に着岸。

Good morning NYC!!

ニューヨークではすべての乗客、乗組員の対面審査が行われるので、08:00の審査開始から終了まで7時間程度かかるとあらかじめ知らされていた。昨夜の船内新聞によると、6階の乗客の呼び出し予定時刻は10:30。しばらく船内で時間をつぶすことにする。

10:00、6階の乗客のコールがかかった。対面審査場も予想に反してひどく混んではいない。10:30に街に踏み出すことができた。ピア88は50丁目に当たる。素晴らしい位置だ。

今日は船内で出会った、私と誕生年月日がまったく同じの女性と行動をともにする約束をしている。まずはニューヨークが初めてだという彼女が見てみたいというので、最寄り駅でもあるタイムズスクエアへ。ひとしきり記念写真を取りあったあと、メトロポリタン・ミュージアムに向かうことにする。

その途上で腹ごしらえをしようとセントラルパーク近くを歩いていると、MORINIというリストランテを見つけた。雰囲気がいい。うちはミシュラン2019にも掲載されているんだよ、というボーイの言葉に誘われるままに店内へ。

ここでロゼを1杯と、ケールサラダ、ボロネーゼをいただく。美味だった。隣に小さな男の子と座っていた若い母親が「私、夫と東京に行ったことがあるのよ! 素晴らしい街よね」と話しかけてきた。

メトロポリタン・ミュージアムは、平日の昼間とあってか、予想より混んでいなかった。3日間有効のチケットが25ドル。

ここで同行者と別れ、2時間後に待ち合わせることにする。ここはじっくり見て回ると何日あっても足りないが、今回の私の主目的は「CAMP」という期間展示。評論家のスーザン・ソンタグ(1933-2004)が、1966年のアメリカにおいて、自身の評論を集めて出版した『反解釈』に収められた『《キャンプ》についてのノート』を元にした展示である。『GUCCI』が後援に入っている。

ピンクで統一された展示空間は、オスカー・ワイルドの残した言葉、西洋絵画、そして現代のファッションで構成されていた。圧巻だった。

ミュージアムショップでいろいろと買い物をしてしまう。なかなかの出費。

メトの後はユニオンスクエアの有名書店STRAND BOOKSへ。1927年創業。20年ほど前にここで黒字に赤のロゴの入ったトートバッグを買ったものだったが、今は数十種類のトートバッグが並べられていた。今回は2枚、店のロゴ入りとミシェル・オバマのシルエット入りTシャツを買い求める。

MPDヘ移動。セレクトショップJefferyをのぞきハイラインを歩き、Hearthのハイライン店でリースリングを飲んでいるとどんどん時間が経ってゆく。ホイットニー美術館の展示も見たいと思っていたところドネーションの時間帯になり、長蛇の列。あきらめて、近くのメキシカンで夕食。ワカモレが美味だった。

船内ではニューヨーク入港中に国連との公式レセプションが行われることになっている。客人らしい人たちとすれ違いながら帰船するとすでに21:30になっていた。

自主企画の場所を予約する〜ピースボート乗船記

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霧に煙る大西洋


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月6日(木)、日の出04:49、日の入20:10 大西洋

大西洋に入ってからどうにも衛星通信の調子が悪く、たった1ファイルの原稿を送るために30分ほどMacの画面をにらんでいたがついに送れず、あきらめる。繋がらないのにカードの分数だけが減っていくという話を他でも聞く。私だけではないのだとわかったが、どうすることもできないので時間帯を変えて何度か通信を試してみるも繋がらない。

11:30、8階公共スペースの「アゴラ」へ。今日は女声合唱の練習場所取り当番なのである。希望の位置に紙を貼り、他の人とかぶれば時間を縮めて譲り合うかじゃんけんをするらしい。幸い、私たちの希望の時間には他の希望者がいなかったので、すんなりと予約が取れる。

午後はパスポートを受け取りに「スターライト」へ。基本的にパスポートは船が預かっていてくれるが、国によってはパスポートの携帯を義務づけられているので返却があるのである。米国はこれに当たる。

それ以外の時間はずっと佐々木譲の『警官の紋章』を読んで過ごす。これも船内図書室から拝借した。

夕刻、どうしても連載の原稿ファイルが送れないので、メッセージ画面にテキスト貼り付けで送ることになった。それでもメッセージ画面が出てくるまでに数十分待たなくてはならなかったのだが。船上の通信インフラってどうにかならないものだろうかねえ。

明日はニューヨーク。

オーシャンユース〜ピースボート乗船記

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暮れても青い大西洋


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月5日(水)、日の出05:33、日の入20:46 40°31′N 062°23′W 24℃ 大西洋

今日はいくぶん海は穏やかだ。

午前中は女声合唱へ。その後、場所取り係班長に任命された女性と2人で今後のシフトを話し合う。手元のレポート用紙を手で切って、手書きで各担当者へ伝言を書き込む。ネットという利器が使えないのでこういう原始的な方法に頼らざるを得ない。各部屋の扉に伝言を貼り付けて回る。

午後は「オーシャン・ユース」による「世界海の日とは」というトークイベントに参加。ピースボートでは2017年から毎年、太平洋、インド洋、カリブ海の島嶼国出身の若者を船に招待し、気候変動に関する周知活動「海洋保護・気候行動のためのユースアンバサダー・プログラム」を行っている。今回は8名の若者が乗船。船内ではリーダーシップトレーニングを行い、各寄港地では市民や政府代表者に向けてメッセージを発信しているそうだ。

ちなみに「世界海洋デー」は6月8日で、その日はニューヨーク寄港日に当たる。「オーシャン・ユース」は国連のパートナーと共に、世界海洋デーに関連するイベントを国連の正式プログラムとして行う予定とのこと。

最後に「なぜ海が好きか、そして海を持続させるために何を誓うか」という問いかけがあった。

16:00、「カサブランカ」でニューヨークの話を聞きたいという方と待ち合わせる。ちょっと飲みながらにしましょうというので、モヒートを選ぶ。彼女はニューヨークが初めてなので、メトロの乗り方や土地の距離感など知りたかったようだ。一通り、私のわかる範囲のことを伝えた。

ニューヨークでは船の全員が対面審査となり、着岸から終了までなんと7時間かかることが予想されている。自分の下船がいったいどのタイミングに当たるかわからないので、その日の行動予定がおおまかにしか立てられない。私はおそらく初日、メトロポリタン・ミュージアムの「CAMP」と題されたファッションの展示を見に行くことになるだろう。2日目は土曜日なのでブルックリンのスモーガスバーグでも目指してみようか。

17:30、女声合唱の先生ご夫妻と居酒屋「波へい」で待ち合わせて食事。横浜の乗船体験会以来の再開を喜び合う。

今夜も時差調整日。時計を1時間戻して、これで日本との時差は13時間。このままニューヨークへ寄港する。

「うつくしいふくしま」を歌う〜ピースボート乗船記

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荒れる大西洋


 

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月3日(月)、日の出06:31、日の入21:35 39°26′N 046°18′W 22℃ 大西洋

朝から頭痛がひどい。昨夕、「スターライト」でピアノとバイオリンのコンサートがあったのでその時にコロナを1本飲んだ。その後、ディナーにサービスで白ワインが1杯ついてきた。夜に「カサブランカ」で赤ワインを1杯。その時ご一緒した方のウイスキーを水割りで1杯。

通常、地上ではこれくらいの量では二日酔いをするはずがないが、船に乗ってからというもの、少しでもお酒を飲んだら翌日にかなり響くということが続いている。船という環境のせいか、体質の変化か、あるいはもともとそういう体質だったのが際立ってきたせいか。ちなみに私の母はお酒が一滴も飲めない。

11:30、なんとか力を振り絞って女声合唱に出かける。今日は「紅葉」を二声で練習した。以前、ゴスペルクワイヤーに所属していたときはソプラノだったが、今回はアルトを選ぶ。年を取ると、声も低くなってくることを自覚している。クワイヤーに所属していた時のアルトメンバーが皆、個性的な女性ばかりだったことを思い出し、ひとりでクスリと笑ってみる。私が今、アルトを歌っているというとみんな、何というだろうか。

講師の田野先生は福島県郡山市の方だ。楽都と呼ばれるほど音楽の盛んな市である。先生から「うつくしいふくしま」という歌を皆で歌ってくれないかと提案を受け、楽譜を受け取る。楽譜をなぞりながら皆で歌う。マイナーのメロディーがとても心に響き、涙してしまう。音楽の力はいつも偉大だ。

女声合唱は自主企画であるため、数名で今後の場所取りのお手伝いを買って出ることにした。話しているうち、ふと思いだした。私のiPhoneのメモに「田野様ご夫妻」と書いてある。昨年、横浜港でオーシャンドリーム号の見学会があったときに、同じテーブルに着いていた方ではないか? 聞いてみると、まさにそうだというではないか! 「主人とずっと、1100人もいるんだからあの時の方は見つけられないかもねえ、と話していたのよ」とおっしゃる。ふたたびのご縁があったことを喜び合う。

リージェンシーに昼食を取りに行くもあまり食欲がないので、なんとか押し込むという感じになる。その後はますます頭痛と悪寒がひどくなり、結局はずっと部屋で横になっていた。夕食は売店で買ったコーンスープ1杯がやっとだ。

「うつくしいふくしま」のメロディーを頭に繰り返しながらそのまま就寝する。夜中からますます海が荒れて揺れがひどくなってきた。

トラベルミンをもらう〜ピースボート乗船記

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トラベルミンをもらう

2019年6月4日(火)、日の出06:02、日の入21:10 40°03′N 054°35′W 24℃ 大西洋

相変わらず波は荒く天気が悪い。起きてもまだ偏頭痛がする。三日酔いか? 低気圧のせいか? それは船酔いではないかとの指摘を受け、朝からレセプションで酔い止め薬「トラベルミン」をもらって飲んでみる。ほんのり甘い。少し眠気を催す薬らしく、うとうとして目が覚めたら頭痛は嘘のように消え去っていた。やはり船酔いだったのか。わからないが。

11:30、女声合唱へ。発声、「紅葉」、「うつくしいふくしま」、「故郷」を練習する。ゴスペルを歌っていたときの癖で、音を立てて息を吸ってしまう。この癖は、その後通ったラテンボーカルレッスンでも厳しく戒められた。ジャンルによって歌い方も違うのだ。

この講座は自主企画であるため、練習場所を先生が押さえてくださっているそうだ。しかもピアノの置いてある場所となると「ブロードウェイ」という会場1か所しかない。先生の負担を減らすため、場所取り隊を結成しましょうということになったことは昨日書いたが、10名の有志が集まった。ミーティングで「お若い方にとりまとめ役をお願いしたい」ということで、私ともうひとりの本当に若い女性が選ばれた。私の年齢でも若手と呼ばれる場所、それが船旅なのである。

船の中では積極的に何かをすることを避けよう、知り合いを積極的に作ることはやめようという予定だったのだが、やはりそうは言っていられなくなってきた。

午後は宮部みゆきの『楽園』を読んだ。最後まで、なんだかよくわけがわからないと思っていたら、解説を読んで『模倣犯』という作品の続編かスピンアウトに位置づけられる小説だったと知る。どうりで、小説の中で自明のこととして書いてあることがらが私にとっては「自明」ではなかったわけだ。なんだかスッキリしない。

夜にリージェンシーで食事をしようと思うも、前菜、スープ、メインのそれぞれに私の苦手なタマネギが満載の料理だったので、申し訳ないとサーブを辞して部屋に戻って缶コーンスープとポテトチップスでしのぐ。こういう時に、苦手な食材があるのはつらい。

その後洋上シネマで『ラ・ラ・ランド』を見る。これも大学院で課題に追われて見そびれていた映画だ。当時、主題曲がラジオで盛んに流されていたことを覚えている。冒頭のモブシーンは素晴らしいと思ったが、その後は「あれ?」と思っているうちに終わってしまう。ラストシーンもあまり私好みではなかったので、残念ながら私のもう一度見たい映画にはランクインしなかった。

今夜も時差調整日。寝る前に時計を1時間戻す。これで、日本との時差12時間。 

パーティー&ディナー開催デーとブリッジ見学〜ピースボート乗船記

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オーシャンドリーム号のブリッジ


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月2日(日)、日の出06:58、日の入22:03 大西洋

今日はパーティー&ディナー開催デー。長い移動時にときどきこんな日がある。夜には民族衣装ファッションショーもあるということで、朝からさまざまな衣装を着た人が行き交う。私もギリシャのサントリーニ島で買ったチュニックとピアスを身につけた。

10:50、「女声合唱でハモりませんか」という自主企画を見つけた。私は以前10年ほどゴスペルを大人数で歌っていた経験があり、船内でもぜひ歌う企画に参加したいと思っていたのだけれど、なかったので少し残念に思っていた。合唱の経験は高校以来ないけれど、声を出したいと思って参加してみる。

講師のかたは、福島県郡山市で合唱の指導をなさっているそうだ。楽都とよばれる市で、半年ほど前に「郡山ブランド野菜」の取材に行ったこともあるので、ご縁のある場所だ。うれしく思いながら、集まってきた50名ほどの女性たちと声を出す。合唱の発声は難しいが、多くの人と声を合わせるという体験にはやはりワクワクした。

後日、さまざまなカルチャースクールや自主企画で発表会が予定されている。唱歌「紅葉」で発表を目指すそうだ。やはり声を出すと気持ちいい。明日からの継続参加を心に誓う。

ランチ後はスペイン語のクラスへ。今日からジャスミンという名の先生に変わったが、彼女とは乗船初期に夕食時、たまたま一緒の席になり、その時は英語で会話を交わしていた。メキシコ出身とのことだった。英語の先生かと思っていたらスペイン語の先生だったのね。これまでの復習を中心におこなう。

16:00、念願のブリッジ(操舵室)見学へ。ブリッジ見学者の募集は8階の掲示板にある日急に張り出され、見つけた人からその場で名前を書き込んでいくというスタイルなので、なかなか予約が取れない。今回、ようやく予約がとれて参加することができた。

ブリッジでは操縦桿を握っている人がいるのかと思いきや、予想に反して無人だった。現在はほぼ自動化されており、その必要はないのだとか。なくなった職種として通信士が挙げられた。通信はすべて衛星を使って無線で音声にて行う。とはいえ、信号機の出番はあるようで、AからZまでしっかり準備されていた。

船の走行に欠かせないのがもちろんGPS。昨年、大学院2年時に「宇宙システム工学」という講義を取っており、そこでGPSなど位置情報についてその歴史から有用性、防災や農業、スポーツなどへの応用までを学んだが、そのことについて思い出す(日吉から矢上キャンパスまでの道のりのいつもつらかったこと!)。

夕食は特別なディナーメニュー。グリークサラダ、マッシュルームのポタージュ、サーモンのコンフィ、ガトーショコラ。スペインの白ワインもついてきた。皆、おしゃれをしてきており華やかな雰囲気に包まれている。

夜は民族衣装ファッションショーが行われる。大勢の人が出場するようだ。見に行くつもりで移動していたら、バー「カサブランカ」で知った顔を見つけてそこに座ってしまった。赤ワインを1杯。以前にピースボートに乗ったことがあるというその方と、次回の寄港地であるニューヨークでの体験を聞かせてもらう。船で早朝、入港するときの景色がとても素晴らしいそうだ。

ニューヨークへは通算、10回以上行っているが、船で入港するのは初めてなので楽しみだ。

24時、時計を1時間戻した。これで、日本との時差は10時間。

読書と掲示板〜ピースボート乗船記

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掲示板

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年6月1日(土)、日の出06:31、日の入21:26 38°01′N 030°10′W 21℃ 大西洋

今日から大西洋横断が始まった。大西洋に出たら揺れると聞いたが、やはり朝から大きくうねるように揺れている。海流の関係なのか天候の関係なのか。

船内に迷い込んでいる小さな鳥を見つけた。出してやろうかと思ったが、扉を開けてもうまく飛んできてくれない。誰かが出してくれているといいけれど。それでも、群れからはぐれてしまった鳥はこの海の上で生きていけるだろうか。

船内新聞で確認すると今日は「企画少なめゆっくりデー」。機材メンテナンスが行われる場合、時々こういう日が訪れる。今日は読書と決める。船内ではなぜか、物語が読みたくなる。図書コーナーから選んだのは湊かなえの『物語のおわり』。高校生女子が書いた未完の物語がさまざまな旅する人の手に渡って、それぞれが自分と重ね合わせながら結末を考えるという連作短編だ。舞台は北海道。私は札幌にしか行ったことがないので、北海道を旅してみたくなった。

午後は誉田哲也の『インデックス』という短編集を選ぶ。『ストロベリーナイト』ののスピンアウトとして、刑事である姫川玲子のさまざまなエピソードが描かれている。私の父親は警察の人間だったので、警察小説には興味をもっていろいろ読んできた。子どもの頃は将来、婦警になりたいと言っていたこともあるが、実際になっていたらこんなタフな日々が要求されるのかと別の感想を抱く。自宅に積んである本にまだ読んでいない誉田哲也の本があることを思い出した。

以前は物語や小説がとても好きだったが、時間がなくなってくると自然に私の生活からカットされてしまった。特にこの2年間は大学院の課題図書をこなすのに精一杯で、おそらくまったく物語は読んでいなかったろう。物語を読むのは、心の中にスペースを作ることだなと思う。そのスペースでは想像力が自由に羽ばたく。船の上では思うままに時間を使い、退屈し、物語の世界に浸る。このうえなく贅沢な時間を過ごしているのかもしれない。

ところでインターネットの通じない船内では、カルチャースクールやイベントに出ない人はこうやって本を読んだりぼんやり過ごしたりするしかないわけなのであるが、活況を呈しているのが8階の掲示板である。ネット上の掲示板ではない、物理的な掲示板だ。

毎日、さまざまなことが書き込まれる。県人会開催のおしらせ。落とし物を見つけたらレセプションに届けてほしい。電波時計を船内時間に合わせる方法を教えてほしい。寄港先の情報求むなどなど。先日の御礼といった個人宛の内容もある。船内では部屋番号しか連絡を取るすべがない。なかには部屋番号を知らずにレストランや公共スペースで顔を合わせるだけの人もいる。そういった場合にこの伝言板で連絡を取り合うのだろう。

掲示板を眺めるのは毎日の楽しみになっている。どういった人がどういう目的で何を知らせたいのか、知りたいのか。想像してみるのが好きなのだ。そこにも確かに何かのコミュニケーションが生じている。

夜はリージェンシーでとんかつ。好みのものが食べられるとうれしい。単純なものだ。