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カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

これは訓練です〜ピースボート乗船記

 

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rolling and pitching


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年5月4日(土)、日の出06:38、日の入19:11 ベンガル湾

09:00より乗組員対象の避難訓練。我々は参加する必要はないが、非常ベルや放送は聞こえてくる。最後に船長の声で「本船を放棄する」旨のアナウンスがあった時はヒヤリとした。本船放棄。航海中、そのような事態にならないことを祈る。

よく映画で見るような「これは訓練です、これは訓練です、これは訓練です」というアナウンスは英語では「This is a drill , this is a drill  , this is a drill. 」ということを初めて知った。ドリルと聞くと穴あけ機、問題練習などがまっさきに思い浮かぶが、iPhoneに入れているWISDOM英和辞書を調べてみると、確かに「訓練」という訳があった。

天気はいいのだが、キャビンから窓の外を見ると波は荒く、船も右に左に、前に後ろに大きく揺れる。横浜出航後初めて「部屋の外に出るときは手すりにつかまって気をつけて歩くように」というアナウンスが出た。

ちなみにこの船では日英中の3か国語が採用されているのだが、「大きく揺れています」という表現を英語で「rolling and pitching」と言っている。気になることはすぐに調べてみないと気が済まないタチなので、さっそくWISDOM英和辞書に当たると、rollingは横揺れ、pitchingは縦揺れを示すのであった。理解した。

午後はエジプト考古学者/名古屋大学高等研究員准教授の河江肖剰さんの「ピラミッドの大航海」と題した講演の上映会へ。5月1日に実際に行われた講演の際、私は別のイベントのファシリテーションをしていて出席できなかったのだ。当日は満席御礼、立ち見でも見ることができなかった人がいて、上映会の開催となったらしい。
内容は素晴らしく、今まで推論、推論を重ねてきたピラミッド研究の世界にドローンや最新の2D→3D化システムを取り入れ(「Giza 3D Survey」)、その成果を目覚ましく発展させているというのが最新の現状なのだそう。その成果によって河江さんは2016年に米国ナショナルジオグラフィック協会のエマージング・エクスプローラーに選出されている。

なかでも「王が圧政を敷いて民衆にピラミッドを作らせた」のではなく「ピラミッド周辺は少し前のシリコンバレーのようなもの。新技術を試すために民衆を近くに住まわせ(近年、古代都市「ピラミッドタウン」が発掘されている)、一大事業を成した。ピラミッドのみならず、ミイラの作成や内蔵の保存など、クフ王はつねにイノベーティブなことを成そうとしていた」という話が気に入った。

ひとつ思ったのは、こういった素晴らしい話は「年寄りの老後の暇つぶし」のためだけではなく、やはりこれからを担う多くの若者に響いてほしいものだなーということ。5月1日講演時は若者の姿も多く見かけたというが、彼らには何か得るものがあっただろうか。
今夜も1時間の時差調整。飛行機に乗ったらいきなり到着場所の時刻になるが、こうやって1時間ずつ時差を調整していくというのは船旅ならではの経験かもしれない。

船上読書『彼女は頭が悪いから』〜ピースボート乗船記

 

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『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ/文藝春秋)

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年5月3日(金)、日の出07:13、日の入19:46 アンダマン海

旅先に持っていっても読まずに帰ってきたということが多いので、旅にあまり本は持ち歩かないようにしている。しかしkindleの登場で、その心配もなくなった。今回はkindleのハードを忘れてきてしまったのだが、iPhoneのkindleアプリで読めるので「大丈夫だ、問題ない」。

同室の方はiPhoneやデジタルカメラの使い方がよくわからないと言っているごく普通の女性なのだが、そんな彼女もkindleを持ってきていた。ずいぶんと浸透したのだなあと思う。

紙で買っていた本も消化しようと思い何冊か持ってきている。今日はその中のひとつである『彼女は頭が悪いから』(姫野カオルコ)を読んだ。が、私にはこの「小説」のおもしろさや興味深さがまったくわからなかった。

ご存じの方も多いと思うが、この「小説」は現実に起こった事件に着想を得た書き下ろしである。私の買ったときのオビには「東大でいちばん売れた本〜東京大学大学生協 駒場書籍部 文芸書ランキング1位( 2018年1〜12月)」とある(もし本当にそうだとするならば、東大生はどれだけ文芸書を読まないのだろうかと思った)。

内容は「頭がいい」ことを自明としてツルツルの心を持ったまま東大生となった男たち5人が「頭が悪い」大学の女子大生に酒を飲ませて強制わいせつをして起訴された事件を事前から追っているものである。事件の発覚後、非難されたのは被害者である女子大生だったということにも触れられている。

被害者の女子大生が5人に望んだ示談の条件はただひとつ、「東大生を辞めること」だった。なんだそんなこと、と飲んだ学生もあり、固持した学生もあった。いずれも、親の意見や判断が密接に絡んでいた。

それだけの話である。やるせなく、醜い話である。

だからといって、文章が美しくないという理由にはならないと思う。何かが生理に引っかかってどうしようもなく気分が悪い読み物なのだ(もっとも、それが作者の狙いなのかもしれないけれど)

もっとも印象的だったところを挙げるとすれば、主人公の女子学生の自宅(実家)のことを「バタバタと日常を暮らしてゆく善き家」と何度も何度も表現した部分である。世の中の平凡という事象を言い得て妙だと思った。

もう1度考えてみる。私がこの小説をおもしろくも興味深くもないと思うのは、私自身もこのような「善き家」で育った(という幻想を抱いている)からかもしれない。あるいは私が東大には行っていないからかもしれない。

 

ランチ後はスペイン語のオープンクラスに出席。今日は数字を1から10までどう言うかを教わる。皆で声を合わせて発音しながら、英語を習いたての中学生の時はこんな感じだっただろうかとふと思った。

 

今日から、友人達と運営している働く大人の女性向けのメディア「Beautiful 40's」でもピースボート乗船記を書き始めた。

パイプを海にくゆらせて〜ピースボート乗船記【1】

かつて私が結婚というものをしていたときに出会った、貨物船の船長をしていた洒落た義父との出来事を書いたものである。航海しているとあちこちで貨物船とすれ違うが、彼もああいう船に乗っていたのかなあ、と考えたりする。

くちびるに塩味夏の近づきぬ 美樹

 

マレーシア・ペナン島ジョージタウン〜ピースボート乗船記

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マレーシア・ペナン島ジョージタウンのインスタスポット


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年5月2日(木)、日の出07:06、日の入19:25 マレーシア・ペナン島

ひと月ほど前に旅した友人に「本当にいいところだった」と聞き、上陸を楽しみにしていたスリランカ・コロンボ。本来なら5月5日に寄港するはずだったが、出国直前に起きた大規模で卑劣なテロ事件を受け、急遽中止になり、代わりにマレーシア・ペナン島に寄港することになった。

ペナン島にピースボートが寄港したことはこれまでになく、102回目のクルーズで初めて寄る予定になっていたそうなのだが、101回目の我々が先に行くことになった格好。

ペナン島はもともとイギリスの植民地だったことがあり、その際の呼び名をプリンス・オブ・ウェールズ島といった。船の着くジョージタウンは、主にイギリス植民地時代の建物と、様々な文化が融合した独特の街並みを今なお残し、2008年にマラッカとともにユネスコ世界遺産に登録されている。

朝7時に入港し、しばらく待つと、ほどなく上陸許可が下りる。商店などが開くのが10時からだというので、10時まではグローバルWi-Fiを使ってひと仕事する(世界を回りながら仕事というのは、聞こえはいいけどなかなか気持ちが乗らず、つらいものでもあると実感)。

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未明にマレーシア・ペナン島に着岸

船を一歩下りたら、汗、汗、汗! 気温32℃、湿度70%強。まともな人ならこんな炎天下を歩くということはしないだろう。しかし街には人、人、人!それもそのはず、我々の船のほかにもう1隻、中国からのクルーズ船も着岸しているのであった。

以前からいわゆる「観光地」にはあまり興味がないのだが、初めての場所はそれも一通り押さえておかなくてはならない。教会や寺院を回ってみた。次第におなかが減ってきたので、リトルインディア地区に行き、けたたましいインド音楽にまみれながらベジタリアンレストランでミールスをいただく。ちゃんとスプーンがもらえてほっとした。

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セント・ジョージ教会

歴史的場所も回ったら最新の場所も見て回らなくてはならない。実はジョージタウンは、歴史ある街並みであると同時に、壁画アートや針金アートが有名。なかでも実際の自転車を使ったスポットにはインスタグラマー達が行列をなして撮影の番を待っている。私もじっと自分の番を待った。しかし、ひとり行動をしているので私の写真を撮ってくれる人はいないのである。

最後はプラナカンマンションへ。19世紀末に建てられた裕福なプラナカンの邸宅を資料館にしたものである。内部にはプラナカン文化の資料や調度などが展示されているのだが、その当時の豪奢な生活ぶりといったら! 約1時間の無料の英語ガイドについて回り、調度品の意味や当時の生活ぶりなどについてよく理解できた。

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プラナカンマンション

汽船リミットは20:00。3度汽笛を鳴らして出航すると、あっという間にジョージタウンは遠ざかっていった。

咆哮の三度(みたび)夏へと出航す 美樹

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去りゆくジョージタウンを船上から

 

コモエスタス、セニョリータ〜ピースボート乗船記

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スペイン語のオープンクラス

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年5月1日(水)、日の出07:00、日の入19:22 マラッカ海峡

いつものように朝はパノラマで食べて、午前中は本を読んで過ごす。昼は、今日からスペイン語のオープンクラスに出ることにした。

大学院に入る前(つまり今から2年前)以前の2年間、ラテンとジャズのボーカルのレッスンに通っていた。ラテンソングが好きで、60歳を過ぎたらラテン歌手になろうと思っているからだ。割と本気である。おばさんとラテンは似合う。

「キサス・キサス・キサス」や「キエンセラ」「コモ・フエ」といった歌をスペイン語で歌いつつ、先生に意味の概要を教えてもらってはいたものの、自分では歌詞の細かい意味を感じることができない。それに一抹の不誠実さを感じていた。

かといって、日常生活に加えてスペイン語のレッスンを取る気力もない。というわけで、船上にいる間、糸口だけでもつかんでおきたいと思ったわけだ。

今日は基本的な挨拶である「どこから来ましたか」「ご機嫌いかがですか」といったフレーズを練習する。とたんに頭の中に「コモエスタ、セニョール♪」の歌が鳴り響いた私はセニョリータ。

ところで今日から日本の元号は「令和」になったらしい。らしい、と書いてしまうのはそれがあまりにも遠い出来事のように思えるからだ。この船の上には、日本人が圧倒的多数ではあるものの多くの国籍の人が乗っているので「令和」をお題目にしたイベントなどは推奨されていない。それもあるのかもしれない。

そんな中で「令和に向けて考えよう 若者集まれ!!」という自主企画にお声がけいただいた。ピースボートはおもしろい船で、さまざまな自主企画を立ち上げて催すことができる。そのひとつとして、年配の男性が「新しい時代に向けて若者たちがどうやって生きていくかというきっかけになれば」と企画したのである。

この催し、いかんせん、中身の進行をあまり考えていなかったようだ。そこで、船の中で1度しか会ったことのない、会の世話人の女性から電話がかかってきた。

「急で申し訳ないんだけど、司会・進行をしてくれないかしら?」

そういうわけで、概要も、どんな人が集まるかもわからない会のファシリテーションは始まった。渾身の力と知恵を振り絞って進行をした。

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若者もおばさんもおじさんも、考えるのだ

結果、年配の方からは「若い人の考えていることがわかって良かった」、若い人からは「ご年配の方から勇気づけられる言葉をもらって良かった」という感想をもらった。終わったら全身の力がへにゃへにゃと抜けて、奇妙な満足感が残った。

うれしいことに、夜は「洋上居酒屋 波へい」でこの催しの打ち上げが行われて、若者も含め多くの人が参加した。私が朝食を好んで食べている9階後方のパノラマが17時以降「波へい」という居酒屋になるのだ。生ビール中ジョッキ350円と、なかなか良心的な価格なので毎日にぎわっている。

年配の方と若者が一緒にジョッキを重ねている姿はいいもんだ。私もこの夜はいい気分になって、生ビール中ジョッキを5杯も飲んでしまった。

 

夕暮れのシンガポール・スリング〜ピースボート乗船記

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カトン地区のプラナカン建築群

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年4月30日(火)、日の出06:51、日の入19:05 シンガポール

見事な朝焼けを経て09:00シンガポールに着岸。急にキャビンも暑い。

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朝焼けを経てシンガポールへ

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シンガポールの港

客船では基本的にはまとめて入国審査が行われ、我々は着岸してから入国許可が出るまでじっとキャビンで待つのだが、シンガポールではひとりひとり対面の入国審査がある。さらに、オプショナルツアーを取っている人が先に外出するので、なかなか上陸できない。というわけで、グローバルWi-Fiが繋がるのをこれ幸いと、午前中いっぱいは船の中で仕事。

そろそろいいかなと思い11時頃入国審査の列に並んだのだが、入国できたのは約2時間後だった。既にヘトヘト。並んでいる間、見るともなく据え付けられているテレビを見ていたら、日本の御代替わりのことをやっていた。世界的にニュースなんだな。

港は地下鉄の駅に直結。しかし、慌てて外出しようとするあまり、‪iPhoneのケーブルもクレジットカードもすべて船に忘れて街へ出てしまった。OMG!サバイバルの始まりだ。

シンガポールは何度か来ているので、ここも観光をする必要はない(今まで一度も見ることのできていないマーライオンは今回もメンテナンス中で見ることができないというし…)。

そこで、シンガポールで人気のインスタ映えスポット、カトン地区のプラナカン建築を撮影しにいくことにした。地下鉄と、乗り慣れぬバスを乗り継いで到着したと思ったら土砂降りの雨。なんとか雨の中、粘って撮影を済ませて繁華街であるオーチャード付近へ戻る。

お目当ては、元CA、現在温泉旅館の女将である広美さんがFacebookでコメントしてくれた「クリスタルジェイド」の担々麺。食べてみたら、これがおいしいのなんのって! 日本で担々麺と言って出てくる料理とは少し違う麺、しっかりとしたスープの味。私好みだ。情報感謝。

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クリスタルジェイドの担々麺

おいしいものでおなかを満たしたらどこまでも歩いて行けそうな気分になり、ガーデン・バイ・ザ・ベイで散歩をする。しかし、あまりの蒸し暑さにお湯の中を歩いているような感覚に陥り、早々に退散することに。

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ガーデン・バイ・ザ・ベイ

帰船リミットは22:00、しかしまだ夕刻。時間はある。となると、行き先は決まっている。ラッフルズホテルのロングバーだ。

ラッフルズそのものはまだ改装中だったが、ロングバーは開いている。その名の由来となった長いカウンターの端に陣取り、「ジ・オリジナル・シンガポール・スリング」を注文する。発祥といわれるだけあって、なかなか強気なネーミングだ。32シンガポールドル。税も入れると3,000円くらいか。これを高いと見るか、妥当と見るかは人それぞれの価値感になるだろう。

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ロングバーのシンガポール・スリング

今どきロングバーでシンガポール・スリングを頼むなんてのはおのぼりさんのすることと決まっているが、やはり麻袋に山盛り入ったピーナツの殻を床に落として、以前よりちょっとビターになったな、なんて考えながら飲んでいると、自分が少しカッコいいような気がしてくるのも事実なんだから仕方ない。

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ロングバーの店内

客船のターミナルに戻ると、大学院の同級生(とはいっても20代)男子から連絡があり、たまたまシンガポールにステイするので見送りに行くという。日本からのフライトが遅れ、ギリギリ私の帰船リミットに間に合った。異国での再会を祝して、船に乗り込み、シンガポールを後にする。

船上読書『ノースライト』〜ピースボート乗船記

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『ノースライト』(横山秀夫/新潮社)

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年4月29日(月)、日の出06:38、日の入19:02

無駄だったような貴重な経験だったような二日酔いの1日を過ごし、朝から復活。読書を再開する。大学院に行っていた2年間、小説の類をお預けにしていたので、ここ最近はずっと読んでいるシリーズや好きな作家のものを手に取ることが多い。

今日読了したのは横山秀夫の『ノースライト』。実に『64』から6年ぶりの新作だ。横山作品が好きで、初期のものから全部当たって読んだ身としては、小躍りして買い求めた。

警察ものが多い印象のある横山だが、今回の主人公はバブルで1度仕事を失った一級建築士。そして、事件も起きない。物語を通して象徴として、建築家ブルーノ・タウトの椅子が登場する。静謐で美しい謎解きであった。

午後からは明日のシンガポール上陸に際してパスポートと入国審査書類が手渡される。クルーズ中、基本的には入国審査書類は船側で預かってくれているのだが、シンガポールでは携帯が義務づけられているらしい。

ところで、洗濯物について。バスルームで手洗いして干す人も多いようだが(私の同室者は毎日手洗いしてブラジャーやTシャツやスカートを部屋に干している)、私は面倒くさがりなのでそれはしない。

ではどうするか? 専用のランドリーバッグがいっぱいになるまで詰めて出せば翌日までに乾かし、畳んで持ってきてくれるのだ。体感的に3日分入る。1回350円。安いもんでしょ。ただし、水洗いして乾燥機で回してざっと畳んでくるだけなので、水洗い乾燥機NGの衣類は出すことができないのが難点ではある。乾燥した衣類がシワになった時のために、霧吹きは持ってきてある。これでたいていのシワはのびる。洗えない衣類はそのまま持ち帰る。

船上で二日酔い〜ピースボート乗船記

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1日寝て過ごした

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2019年4月28日(日)、日の出06:27、日の入18:54

朝は普通だった。同室の方とパノラマに朝食をいただきにもいった。しかし、徴候はあった。「いつもこのパターンなんだよな」と、私の中の誰かが囁く。そう、私はこの後、ひどい二日酔いに襲われるのである。

午後から悪寒を増してくるという不思議な私の二日酔いはここでも健在だった。しかし、昨夜はいくらおばさま方に誘われたからとはいえ、陸にいるときより飲んだはずもない。やはり船では酔いが後に引くのか。そうとしか考えられない。

頭が痛く、吐き気がひどい。寝ているしかなくなった。

午後からはスペイン語のオープンクラスが始まるが、当然、そんなものに出る元気もない。食事にも出かけられない。

そこで、同室の方にお願いして、売店からポカリスエットとリンゴのすり下ろしゼリーを買ってきてもらう。完全な病人食だ。二日酔いの時は少し何かをおなかに入れるとやや和らぐことが多いが、今回はそうはいかなかった。あああ、スープがほしい。

「美樹さんと一緒に昨日、飲んでいた方々、今朝から元気に活動していらっしゃいましたよ」と同室者から報告を受ける。強い、おばさま方、強い。

いつもなら夕方にはだいぶ治まっていることの多い二日酔いだが、今回はそうはいかず、1度嘔吐した。それでも治まらないので仕方なく夕食も抜きでそのまま就寝する。

私は1日を無駄にしたのか? 

いや、違う。貴重な勉強をしたのだ。きっと。

気ままなナイトライフ〜ピースボート乗船記

 

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ピアノバー「DUKE」にて

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年4月27日(土)、日の出06:10、日の入18:50 

生きていれば喉は渇く。船内には伊藤園とKIRINの自販機が設置されているが、1100人の乗客が皆、毎日ペットボトルを買っていたらサステナブルも何もあったものじゃない。そこで飲み水について。船内数か所に給水ステーションが設置されており、ここで、持参の水筒に給水する仕組みになっている。隣には製氷機もある。ただしこの製氷機、よく「運転中」になってて氷が出ないこともしばしば。まあ、のんびり待つしかないのである(ここでイライラする人は船旅には向いていない)。

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8階の給水ステーション

 

夜に、ちょっとだけ船上ナイトライフを試しに行ってみようかと、「一番静か」だと案内のあったピアノバーDUKEへひとりで繰り出す。元はクラシックを学んでいたのであろう、何人かはわからないけれど英語を話す男性が、ベートーベンからビートルズまで軽快に弾いてくれるバー。彼もクラシック演奏者を夢見た時期があっただろうか。そういう経緯で船上ピアニストになったのだろうなどと考える。

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船上ピアニスト

グラスワインを白、赤といく。ハウスワインと言っていたがおそらくチリ産だと思う。ボトルワインも各種あるらしいが、さすがにひとりでは飲めないのでグラスで我慢。グラスワインでいうと、ピースボートのラインナップは乏しい。

以前も書いたかもしれないが、船の上ではなぜだか酔いがとても後を引く。グラスワイン2杯で明日のことが心配になっていたところを、隣の席に座っていたおしゃれなおばさま(80代と70代)に声をかけられ、一緒に飲むことになってしまう。2人はメーカーズ・マークをグイグイと飲んでいた。差し出されたロックグラスをお断りするわけにもいかず、にこやかに私は飲み干す。あるいは既にこの時、寄っていたのだろう。

80代の方はもう何度かこの船に乗っているようだ。このバーでも9階の居酒屋「波へい」の料理が出前できるから何か食べたいものをごちそうするわとおっしゃってくださって、それならとフライドポテトとたこ焼きを取る。これにはビールでしょ、と、生ビール中ジョッキも注文する。

これらにやられた。

翌日、私はひどい目に遭うことになる。

熊本県人会〜ピースボート乗船記

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香港を後にする


2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年4月26日(金)、日の出05:54、日の入18:45

帰船リミットは09:00だったがカイタック港(元カイタック空港だったところ)は街に隣接していないこともあり、出かけるのは諦めていつものようにパノラマで朝食。船は3回汽笛を鳴らしてあっという間に香港を置き去りにした。

日中はゆるりと読書。

20時から「地域交流会」と名付けた、各県ごとの集まりがあった。今夜は九州の会だったので、のこのこと出身地・熊本のテーブルまで出かけていった。

熊本という田舎から104日間のクルーズに出かけてくることのできた「わさもん」は、約10名。そしてやはりどこか突き抜けていらっしゃった。だいたい60歳以降の方ばかりだったが、なかには「高校を辞めて来ました」という女子も。彼女のこれからの人生に幸あれと願う。

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熊本県から来た人々



 

初の寄港地・香港〜ピースボート乗船記

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香港・カイタック港

2019年4月20日から8月1日まで、横浜港を出港し世界一周して戻ってくる「第101回ピースボート」に乗船しています。その日々の記録を残していきます。

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2019年4月25日(木)、日の出05:34、日の入18:31 香港

乗船後、初の寄港地となる香港へ。13時に着岸し、全員の入国許可が下りるまで約1時間。その後、オプショナルツアーを取っている人が先に出て、最後に私のような自由行動の者が出る。着岸から約1時間半〜2時間後と見ていいだろう。

それでも、空港のイミグレーションで列を成して無為な時が過ぎ去るよりは、船室で待機していられる方がいい。レンタルしてきたグローバルWi-Fiも着岸直前から使えるので、ここぞとばかりにたまった仕事を船内で片付けた。

私のメインの仕事は人様の原稿を整えたり時には自分で書いたりもする「編集」なので、PCさえあれば世界中どこでもできそうだが(現に、できるが)、さすがに電波のないところではできないとつくづく感じる。デンキとデンパなしでは生きられない身体になってしまった。

15時前に、やれやれと腰を上げて船の外へと踏み出す。香港はこれまでに何度も来ており、特に行きたいと思っているところはないので、好きな場所であるソーホーへ出かけた。

地下鉄中環(セントラル)駅から徒歩数分。丘陵地の斜面に沿って広がるソーホーには「世界一長い」といわれるエスカレーターが取り付けられている。エスカレーターには、途中から乗ってきても降りてもいい。周囲には、インテリアショップやバーなどが軒を連ねる、いわゆるおしゃれエリアだ。

実はちょうど4年前に、この香港の港から出る2泊のクルーズ船に乗ったことがあった。

香港、クルーズ、ひとり旅 – Beautiful 40's

その時にも足を伸ばしたのがこのソーホー地区だ。

4年前の同じ場所で写真を撮ってみるとおもしろいだろうと思い、記憶を頼りにそのバーへ。果たしてそのバーはあったが、4年前の写真に写り込んでいる向かいの店はfor leaseになっていた。時は過ぎゆく。オンタップでGOOSE IPAを1杯。

ソーホーまで来たなら、世界で一番人気のインスタスポットともいわれるグラハム・ストリートの壁も近い。Googleマップを頼りに探してみた。噂通り、写真を撮る人々で壁の前は行列。私はひとり行動なので、壁の写真だけを撮って船に戻ってきた。

 

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グラハム・ストリートの壁

この間、グローバルWi-Fiは繋ぎっぱなし。ほんの数日間、繋ぎっぱなしから離れた生活を送ってみて、どれだけふだん電波を必要としているのかを思い知った。