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EDIT THE WORLD

カメラを持って東京と日本各地と世界を行くエディターのフォトログ

自ら越えてゆけ〜新成人だった私へ。

20数年前、自分に見えているほんの周囲数メートルが世界だと信じ込んで少し絶望していた私に、今、時をさかのぼったらなにが言えるだろうか、と思って書いてみます。

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いま、希望に燃えているでしょうか、こんなものだと半ば諦めているでしょうか。

私たちの社会はすべてが自由だといいながら、いっぽうでは社会的流動性が低いということが指摘されていますね※。

社会的流動性とは、ひとつの社会のなかで、職業や階級、場所の移動が可能かどうかということ。生まれ育った環境にかかわらず、望む職業に就き、望む場所に住めるか、ということです。

基本的に、日本の社会においてはこれは自由にできるとされています。しかし、実際はそうではないということは、理屈じゃなくても、肌感覚でわかっていると思う。

だって、あなたは、このまま親と親戚と地域社会の「女はこのままこの土地に住んで一生をつつがなく暮らしていくものだ」という無言の大きな圧力を、身体全部で受け止めて、とてもきゅうくつに思っているよね。

先日は、「高卒と大卒の学歴分断線」という記事も話題になりました。そこには自分だけの考えや努力では越えられない分断があるという分析で、大きな反響をよんだのです。

でも、あなたはまず、両親が大学を出ていなかったにもかかわらず、彼らの応援もあって、努力をして進学しましたね。それは、あなたの乗り越えてきたひとつめの壁だったのかもしれない。

ただ、自宅から通える場所、という制限がなされて、他県や東京の大学を受験することは許されなかった。それは、その時は仕方ないことだったのだと思う。

これから先、もっと勉強したいとか、こんな仕事をしてみたいとか、ほかの土地に住んでみたいと思うときがきっとくると思う。いや、きてほしい。思考する力までも、環境に奪われてはいないでしょう?

社会がそうだからと言って、あなたが同じように行動する必要はない。慣習がなんだ、統計がなんだ、傾向がなんだ。あなたには、あなただけの場所を見つけにいくために、そんなものを自ら越えてゆく勇気をもってほしい。

ほんの小さな面積でしかないかもしれないけれど、確かに自分の足で立てる場所を見つけるために、ずっと考え、行動し続けてほしいのです。

そのために、いつも思い出してもらいたいのは、知識は力になる、情報は武器になる、経験は糧になるということ。

そして、大人は意外と頼りになるのだ、ということ。

それでは、20数年後に会いましょう。
この場所で、待っています。今でも走り続けながら。

 

Corak,M. 2013. Income Inequality, Equality of Opportunity, and Intergenerational Mobility.
いわゆる「グレート・ギャツビー・カーブ」として知られる格差の拡大と固定化を示すグラフ。このグラフによると、米国、英国、フランスなどは社会的流動性(Social mobility)が低く、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの北欧主要4か国などは高いとされる。日本も社会的流動性が低いほうに位置づけられている。グレート・ギャツビー・カーブについてもっと詳しく知りたいかたはこちらのグラフ(Wikipedia・英語)も参照してください。 

 

「あとぜき」ってどんな意味? 方言とコミュニケーションの幸福な関係。

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昨夜は、「熊本弁ネイティブの会」の忘年会でした。

熊本弁ネイティブの会とは、おもに首都圏在住の熊本出身者が集うFacebookグループ。

「なんで首都圏で会うと熊本ん出身どうしでん、標準語でしゃべっとだろか? こらつまらん。熊本んもんどうしだけん、おもさん熊本弁ばしゃべろうばい!」

(訳:なぜ首都圏で会うと、熊本出身者どうしでも標準語で話すのでしょうね?  おもしろくないことですね。熊本の者どうしなのですから、思いっきり熊本弁を話しましょうよ!)

ということで2012年から、有志のほんの思いつきで始まったのだそうです。私は発足からほどなくして、出身の先輩に誘われて参加するようになりました。

今年は熊本の震災もあり、この会で数度、首都圏での被災メーカーさんの物販と募金活動をおこない、故郷に少し貢献できた気がします。

この会、会話のみならず、Facebookグループの投稿でも熊本弁が必須。でも、変換がなかなか大変なんですよね…。

そんなネイティブが集っておおいに熊本弁で語り合う会。でも、長年、土地を離れていたりすると、なかなか言葉が出てこない人も多いものです。

興味深い研究結果があります。社会学者のホルムズによると、30歳から55歳までの年齢層の人は、その間、土地固有の言葉の使用頻度が少なくなるのだとか。

この年齢層は社会的活動に参加する機会が多く、社会的責任も大きいため、標準変種(standard variety=標準語に当たる概念)の使用がきわめて多くなる傾向にあるそうです。

その後の年齢層ではまた、ぐぐっと土地固有の言葉を使う頻度が高くなるという結果があるので、社会的活動がどれだけ行動に影響を与えているかわかりますね。

晩年ほど幸福度が高くなる傾向にあるという研究結果もありますので、上記のようなことも関係しているのかもしれません。

とはいえ、近年、急激に進んだ方言離れのいっぽう、最近では若年層が伝統方言に基づいた「新方言」を利用しているといい、人間環境学者の川村陽子氏は、それを「伝統方言の〈やぼったさ〉の中にむしろ個性を主張する機能を見い出しているといえる」と述べています。

「新方言」とは、若い人が今まで標準語になかった語彙を方言から取り入れて使う現象のことで、たとえば「違っていて」を「違くて」と言ったりするのはその例のひとつ(『日本語教育能力検定試験に合格するための社会言語学10』アルクより)。

どのような言葉を使うか、ということは、集団への帰属意識や連帯感、自己アイデンティティなどに関連すると考えられています。

熊本弁をしゃべりながら、私たちは、生まれ育った土地に所属しているという意識を確かにし、現代社会においてとかく薄くなりがちな連帯感を再確認しているのかもしれません。

ところで、記事の冒頭にかかげた写真に書かれている「あとぜき」は、熊本に生まれ、育ち、あるいは住んだことのある人なら誰しも理解できる言葉。

公共の場所や商店の出入り口などに書かれているケースが多く、もちろんしゃべり言葉としても使い、幼稚園児も知っています。

熊本人はこの言葉が熊本でしか通じないということを今でも知らず、私も東京に出てきたときに通じなくてびっくりしました。

本稿の読者のみなさまは、ググらずに、ぜひお近くの熊本人に「どういう意味?」と聞いてコミュニケーションを取ってみてくださることをおすすめします!

 

大人の女の「おばさん」論。

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「おばさんになりたくないよね」というけれど、「おばさん」って、なんだろう。『大辞林』で引いてみると、

 

他人である年配の女性を親しんでいう語

 

とある。これだけだと穏やかなのだけれど、 さらに、

 

若々しさが感じられないという意で、皮肉や自嘲の気持ちを込めても用いる。「――くさい格好」「もうすっかり――だ」

 

ともある。つまり、「おばさん」とは、皮肉ったり自嘲したりする時の呼び方なのだ。

 

誰もが年をとっていくので、自分や人のあり方を皮肉や自嘲を込めて表現したくはない。それでもおばさんと呼びたくなる時があるのは、なぜだろう。

それは、自分やその人に想像力がない時じゃないか、と考えている。

 

自分と人は違うのだ、ということに対して考えが及ばず無自覚な考えをもったり発言したりしてしまった時、私はきっと限りなく「おばさんくさい」のだと思う。

 

小さいときや若い頃は、世界が狭かった。ずっと同じ土地に住み、似たような境遇の人が集まる学校に行き、同世代の人たちと集っていた。想像力もその範囲で働かせればよかった。

 

大人になるにつれ、周囲には違う境遇で育った人や違う世代の人が増えていき、同じように暮らしていた同世代の友人達と自分のライフスタイルも大きく違ってくる。特に女性は、夫や子どものありなしでもかなり生活が変わってしまう。

 

目をもっと遠くに転じてみれば、世界にはまったく違う文化や価値観をもち、違う常識をもってさまざまな境遇で生きている人たちがいる。それはもう、想像を絶する世界に生きる人々の姿が、今日もニュースフィードに表示されている。

相手と自分は違うのだ、ということを前提にコミュニケーションができれば、なんと心地よいことだろう、と思う。


そこには皮肉も自嘲もいらない。

 

サン・テグジュペリの『星の王子さま』の中に、こういう一節がある。

 

On ne voit bien qu'avec le cœur.L'essentiel est invisible pour les yeux.ーこころで見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。(訳:河野万里子)

 

キツネが王子さまに教えた「秘密」だ。有名な一節だけれど、この後にキツネはこう言っている。

 

きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ。(訳:河野万里子)

 

ほんの少し、想像力を働かせる時間を取ってコミュニケーションしてみると、きっと相手は私にとってかけがえのない存在になる。

 

そうできれば、私は大辞林がいうところの「他人である年配の女性を親しんでいう」おばさんになれるのではないか、とひそかに思っている。

 

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さて、ブランド・コンサルタントの守山菜穂子さんと2016年限定で続けてきたサウンドマガジン+ブログの「Beautiful 40's」、いよいよ今月で最終回。今回は「おばさんといい女の違いとは?」というテーマでトークをしているので、ぜひお聴きください。


音声を聞く環境にない、というかたにはテキスト全文書き起こしのページもあるので、下記からぜひ。

photo: Miki IKeda

 

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守山菜穂子さんのブログはこちらから。

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◆女性向けweb「cafeglobe」でショートストーリー「東京一夜」を連載しています。

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私たちが次世代の女性たちの"スポンサー"になるという考え方に納得〜WEF TOKYO 2016イベントレポート。

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Women Empowerment Forum TOKYO 2016(主催:株式会社リンクス、株式会社メディアジーン/ 共催:ALL LADIES LEAGUE/ 協力:株式会社インフォバーン)というイベントにお誘いいただき、出かけてきました。

 

場所は虎ノ門のアンダーズ東京 Tokyoスタジオ。

 

これは、外務省の国際女性会議「WAW! 2016」(World Assembly for Women)の公式サイドイベントのひとつ。さまざまな分野で活躍する女性同士でイノベーションを起こしていくためのプラットフォームをつくり、醸成していくことを目的としてひらかれました。

 

また、世界最大の女性団体であるALL LADIES LEAGUE(本部はニューデリー)の東京バージョンとしての開催でもあります。

 

参加したのは、「既成概念にとらわれず、新しい価値観を生み出す」女性リーダー100名とのこと。

 

参加者名簿をいただくと、メーカー、サービス、メディア、政治など、さまざまな分野で活動する女性たちがたくさん! すごいメンバーばかりです。

 

そんななかに混じらせていただいたことは光栄ですが、なんだかちょっと気後れしちゃう私…。

 

コンセプトのなかに「いま会っておくべき100人の女性たち」というものがありましたが、これがしっくりきました。

 

「しなやかに美しく社会を変えるために女性ができること」について各自が考えたことを書いて貼っていく"チャレンジボード"や(ちなみに私は「対話」と書きました)、ネットワーキングディナーなどで楽しく過ごしました。

 

なかでもおもしろかったのが、各テーブルで30分、ディスカッションしてその結果を発表するラウンド・テーブル・ディスカッション。

 

私のテーブルのテーマは「メンタリング・コーチング(次の女性リーダーをいかに育てるか)」というもの。

 

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ファシリテーターをマイクロソフトの伊藤かつらさんにつとめていただき、さまざまな意見を交わしました。

 

(ちなみに私のテーブルには、ロフトワークの林千晶さんやアドビの中西りささんといったメンバーもいました)

 

立場の違う人さまざまなメンバーの意見はとてもおもしろく、発見に満ちていた。各テーブルに男性が必ず2名入っていたのも、ディスカッションにとても良い効果があったように思います。

 

ハッとしたのが、「私たちが他の(もっと若い)女性たちの"スポンサー"になるといいのでは」というアイディア。

 

相談相手になるのでもいい、助言をするのでもいい。なにかのチャンスを与えられるようなことがあれば積極的にそうする。意識的に、次世代の女性たちが活躍する場を醸成していく。そういうことができる立場と年齢になったのではないか。

 

これは、改めて言葉にしてもらって大発見でした。

 

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男女雇用機会均等法第一世代のかたもいらっしゃったこのイベント。

 

未だにアメリカでヒラリー・クリントンのようなパワーウーマンですら「ガラスの天井は打ち破れなかった」と言う時代ですが、先に少しがんばってきた女性たちが、次の世代の女性を応援する、というのはとても良い循環を生む、と感じました。

 

(もちろん、理解ある男性にそうしていただくのも大賛成ですよ♪)

 

ともすればピリッと固い雰囲気が漂いがちなはたらく女性を集めたイベントですが、ゆるゆるとリラックスした雰囲気が終始漂っていたのがとてもうれしかった。

 

肩の力を入れなくても女性同士で話し合えるほど我々は熟成してきたのかも、と、ちょっと自画自賛してしまいました。

 

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ひとつ残念だったのが、「幸せに生きるには/幸せに仕事をするには」というテーマがなかったこと。

 

来年から大学院で幸福学を学ぶ私としては、はたらくということも含め、幸せに生きていくには、というテーマも掲げていただけるとうれしいなと思っています。

 

なにしろ、人生の大テーマですから。最終的には幸せになることを目的にしないと、社会や世界は変えていけないと思うんです。よろしければ、トークセッションもさせていただきます! と言っておこう(笑)

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最後に、ニューデリーより、ALL LADIES LEAGUEのグローバル・チェアパーソンであるDr.Harbeen AroraからSkype経由でパワフルなメッセージが届き、閉幕となりました。

 

今年が初回だというこのイベント。来年以降もぜひ、続けていっていただけるといいなあ。

 

www.mediagene.co.jp

北欧の人が幸せなのはなぜ? それは「人生を主体的に生きられる」から。

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『限りなく完璧に近い人々〜なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?』という本を書いたジャーナリストのマイケル・ブースさんのトークショーに出かけてきました。

タイトルは、「世界一幸せ? 北欧社会のリアルを読み解く」。版元のKADOKAWA、マイケルさんが連載する朝日新聞GLOBE、フィンランド大使館との共催。

来年から大学院に行って幸福とはなんぞやということを研究しようとしているので、各種調査で幸福度が軒並み高いという結果が出る北欧の国々には興味津々。

でも恥ずかしながら、北欧5か国の国名すらさっと言えないくらい、これまで知識はなかったのです。

マリメッコやH&M、IKEAやNokia、映画にもなったレストラン「ノーマ」といったブランドネーム、北欧のシンプルで素敵なライフスタイル…というイメージのみが頭にふわふわあっただけ。

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果たして北欧の国々は、実に教育と社会保障の行き届いたところなのでした。多くは教育と医療が無料で提供され、失業手当も手厚く老後の心配も少ない。

しかも男女平等で、フィンランド大使のお話によると、外務省で働く人の実に75%は女性。さらに、世界に散らばる大使の46%が女性。これ、クオータ制みたいに割り当て目標を定めた結果というわけではないというところがすごいですね。

(ノルウェーはクオータ制で成果を上げているそうです)。

クオータ制とか、フランスの「パリテ」という概念は興味深いので、いつかまた書いてみようかと思いますが、興味のあるかたは検索してみてくださいまし。

ちなみに、2012年、国連が初めておこなった幸福度調査によると、デンマークは幸福度1位。フィンランドは2位、ノルウェーは3位、スウェーデンは7位(ちなみに日本は43位)。

※国連のレポートのPDFはこちらからダウンロード可能。

Sustainable Development Solutions Network | World Happiness Report 2013

ただし、社会保障が厚いがゆえに所得税は50%前後と高いし、高齢化、格差、犯罪、地方衰退など、やはり日本と同じような問題を抱えている国々でもあるのです。

でもなぜ彼らは幸せだと感じているのか? それは「なりたい自分になれるように人生をコントロールできる」からじゃないかとマイケルさんは言います。自分の人生の主導権を握ることができるから、と。

北欧は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスの研究によれば、社会的流動性(ひとつの社会のなかで、職業や階級、場所の移動が可能かどうか)において、主要4か国が世界1〜4位を占めているそう。

その意味で、アメリカよりもずっと、なりたい自分になる自由ややりたいことをやる自由がある、といいます。上記調査でアメリカははるか下位に位置していますから。

これに欠かせないのが学校教育。経済格差が小さいこと、福祉のセーフティーネットが充実していることと同じように重要だ、というマイケルさんの話は本を読んでいただくとしましょう。

それにしても、どうやったらこんな北欧の国々のように幸せに暮らしていけるのだろう…と、電車に揺られて帰りながら考えてみたのですが、福祉や教育の充実、というのがひとつの解なのならば、所得税をもう少し支払ってもいいな、という結論に達しました。

それで老後も安心して暮らせるのならば、いいよね。

ちなみに、この本を書いたマイケル・ブースさんは、皮肉とユーモアたっぷりの『英国一家、日本を食べる』(原書は2010年発行の"Sushi & Beyond")の著者。NHKでアニメ化もされたので、記憶のある方もいらっしゃるかもしれません。

その"Sushi & Beyond"のアニメが、今年、農林水産省のYouTubeチャンネルで外国人向けに作成、公開されているので貼り付けておきますね。

今、マイケルさんは『英国一家、日本を食べる』の続編を書いているそうですよ。

youtu.be

 

今回、トークのテーマになった『限りなく完璧に近い人々〜なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?』もマイケルさんのユニークでウィットに富んだ語り口で、とても楽しく読める北欧論になっているので、興味の湧いたかたはぜひ読んでみてはいかがでしょう。






マリメッコ展にも行かなくちゃ!

www.bunkamura.co.jp

大人の色気はひとりの時間でつくられる。

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ブランド・コンサルタントの守山菜穂子さんと2人で1つのテーマについて語るサウンドマガジン「Beautiful 40's」。11回目の今回は、「大人の色気」がテーマだった。

 

色気か…そもそも、色気ってなんだろう。

 

広辞苑の第四版で「色気」を引くと、1.色のぐあい。いろあい。2.愛嬌。おもむき。風情。3.異性の気をひく性的魅力。4.女っ気。(以下略)とある。

大辞林の第三版では、1.色の調子。色合い。2.異性を引きつける性的魅力。3.愛嬌。愛想。4.異性への関心。(以下略)とある。

 

なんだかどうやら、色気というモノはおもに異性に対する態度や心持ちらしい…って、いやそれでいいのか。

色気って、異性に対するものだけじゃないと思う。なんだか、それだと狭すぎる気がする。

 

結論として「余計な力の入っていない、自然体で余裕のある状態」と考えた(詳しくは下記リンク先のサウンドマガジンで聴くか、テキスト書き起こしで読んでくださいね)。そんな人からは、やっぱり魅力を感じると思うのだ。

 

菜穂子さんとのサウンドマガジンの中で話しきれなかったことがある。

 

それは、余裕って、ひとりの時間をどう過ごすかでつくられるものじゃないかな、ということ。

 

ひとりのときに、他のことをあれこれ考えるのをやめて、自分と向き合う。そして今、ここにいる自分を感じる。どんな自分であっても、しっかりと受け止めて肯定する。そういう時間を持っている人は、きっと何事にも自然体で向き合えるんじゃないかと思うのだ。それがきっと、人としての色気になっていく気がする。

 

でもなかなか、そんな時間をつくろうったってできない。流行の瞑想だって、やってみても結局身につかなかった、という人も多いと思う。

 

そこで、私が実践している方法は、お風呂タイムの利用。シャワーでも、バスタブに浸かるのでも(こっちがおすすめ)、お風呂に入っている間は何も考えないように努力する、ということ。

 

いったんここで頭の暴走を止める。そして寝るまでの間、ゆったりと自分と向き合ってみるのはどうだろう。その日にあったことを振り返ったり、その日起こったいいことを書き出してみたりするのもいい。私の場合、そうしているとなんだか幸福感が増してくる。

 

今日もいいことがあった1日だったな、と、感謝とともに眠りにつくことができれば、きっと新しい朝が待っている。

 

そうやって毎日をリセットしながら過ごしていくと、きっと今よりも自然体で余裕のある状態になれると思う。そして、そんな色気のある大人でありたい、と思うんだけど。

菜穂子さんも、彼女らしい「色気」について語ってくれたのでとても興味深かった。ぜひサウンドマガジンもお聴きください!

photo: Miki IKeda

 

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私が旅に出る理由〜君が大切だってこと。

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19歳。フランス語と文学を学んでいた大学生だった私は、田舎の街からフランスに旅立った。それから何度もパスポートを更新して、いろんな旅をしてきた。

旅という言葉にはカルチャーっぽくておしゃれなイメージが漂う。私もエディターとしてそういうイメージづくりの一端を長年、担ってきた。

 

でも、実際にそうなのだろうか。

スーツケースに荷物を詰めながら、なんて面倒なことだと思う。出発の前日になると、どうして私は旅に出ようなんてことを思ったんだろうと後悔が始まる。たいてい、早起きしなくてはならないのもつらい。

 

たとえば海外の場合、出国して飛行機に乗ってきゅうくつなエコノミーシートに身体を預けて眠れぬ時間を過ごし、なぜ私は長時間、こんな苦しい思いをしているんだろうと思う。

目的地に着いて、違う空気を吸って違う匂いを嗅いで、違う顔をした人たちがいて、知らない言葉が聞こえてくると急に不安になる。何の理由もないのに、入国検査官に何か咎められるのではないかと思う。

ターンテーブルからスーツケースを受け取ると、呼び止められてすべての中身を出させられたことがある。ロサンゼルスだった。君が怪しいわけじゃない。ランダムに検査するんだ。決まり事なんだよ。

 

空港を出て街に出る。タクシーであろうと電車であろうとバスであろうとレンタカーであろうと、この瞬間が一番ストレスを感じる。


旅の最中もハプニングの連続だ。見知らぬ街を、この方向でいいのかと思って歩きながら、なぜ、私はこんなところにひとりで来てしまったのだろうと思う。私がいま、この国のこの通りを歩いていることはおそらく、誰も知らない。もう一度思う。なぜ、私はこんなところにひとりで来てしまったのだろう。

 

そして時差に慣れ、水と空気に慣れ、言葉に慣れ、その国の紙幣と硬貨に慣れ、食事に慣れた頃には帰国しなければならない。

帰国したらしたで、スーツケースを開けてみればこじ開けられた跡がある。「悪く思うなよ、法律に従ってあんたの荷物を調べさせてもらったぜ」と書かれた紙が入っている。ニューヨークの果てまで出かけてワイナリーで買ってきたワインの封蝋がナイフで切られている。

たまった洗い物を洗濯機に放り込んで、ゴワゴワになった髪を慣れた軟水で洗い流す。違う食生活で肌も荒れたみたいだ。疲れた。明日は出社しなければ。仕事がたまっている。でも時差で眠れない。来月のクレジットカードの請求はいったいいくらになっているのか…。

帰ってきたら、じわりと実感が湧いてくる。飛行機の中で、現地の新聞を破いて情報をくれた人。電車の乗り方を教えてくれた人。素晴らしい景色。美味しい食事とワイン。たまたま出会って翌日の宿を一緒に選んだバックパッカー。思わず女性同士で人生談義をした夜行列車。彼女はイタリアの公務員だって言ってたな。

面倒だったことや不安だったことはすべて忘れて、素敵な記憶だけが残る。それは。宝物のようにキラキラといつまでも輝いている。

だから、私は次の旅に出たくなるのだ。

 

そうやって、いろんなものを見たい、体験したいというのがまず先だった。社会人になって時間が経つと、今度は、旅先では、ふだんの生活で肥大化してしまった会社名や肩書きや自己意識を捨てて、生身の自分自身で世界に向き合わなければならないことに気がついた。

 

その、世界にむき出しの自分のまま立っているというヒリヒリした感覚が、ともすれば流されがちな日々にあって「生きているんだ」と実感させた。

 

今。それからずいぶん旅慣れて、この年齢になって、遠くに来て世界に向き合って「なぜ私はここにいるのだろう?」と思ってきたことに、ようやく答えが見つかった気がしている。

 

遠くにいても思う人。無事でいてねと祈ってくれる人。ただいまと伝えたい人。そう、私は、そんな大切な人たちのことを改めて思い出すために、はるばる遠くまで出かけていくのだろう。そして、しばしの別れを経てまた再開したときに、世界は私にとってこうだったんだよ、そして、君が大切だってことをずっと思ってたよ、と伝えたいんだ。きっと。

 

ブランド・コンサルタントの守山菜穂子さんと月に1回公開しているサウンドマガジン「Beautiful 40's」で、今月は「旅」をテーマに語り合った。

 

守山さんは「ソーシャル旅行」について、私は「旅は幸福感をアップさせる」ということをお伝えしている。ぜひ私たちのおしゃべりもお楽しみください。

 

photo : Miki Ikeda

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